ゴールデンウィークが終わって1週間、皆様
「いやいや病」とどのように向き合っていらっしゃる
でしょうか


先週末は、もはや人生の恒例となった肩こりとの格闘に
明け暮れ、疲れは満タンでございます。
肩こりの原因はさまざまでありますが、管理人は
その原因を運動不足に求め、以前紹介した早朝ジョギング
とは別に、数年前から
「水泳」
という比較すればハードな運動に取り組んでおります。
しかしこちらはそうは時間が許さない。
残念ながら月2回とはなんとも不満。
行く度に、「怒りの泳ぎ」を展開しております。

なるべく仕事が平日に休みの時がねらい目です。
人間のいない午前中。近くの市民プール、しかも温水プール
で自由奔放に泳げること(=これが怒りの泳ぎ)への満足を
手に入れるべく、あれは4月だったでしょうか、
入り口で普段どおり料金を支払い、更衣室、シャワールーム
を通過して、いざ人っ子ひとりいない温水プールへ。

とここで思わぬ誤算が.....




女女女女女女女女女女女女
女女女女女女女女女女女女
女女女女女女女女女女女女。



「うほほ~い。」
おっと、これは失礼。

実は彼女達はプールで水着姿を疲労している皆様ではございません。

こちらの市民プールは多分に漏れず、子供水泳教室を開いておりまして
その開校日がどうやらこの日とのこと。つまりは、
観客席と称する場所に子供の泳ぎを見守る奥様連中であります。


奥様奥様奥様奥様奥様奥様
奥様奥様奥様奥様奥様奥様
奥様奥様奥様奥様奥様奥様。


こいつは困った管理人。ムダ毛処理(女じゃないが...)はクリアしている
ものの、、
「ムダ肉」の処理がはかどっておりません。
腹筋は、縦にスジが入ってしかるべきが、横にスジが入りぎみの管理人。
ここは必死にトランクスタイプの競泳パンツを上げ、腹をへっこめ、
胸を張っての、不十分なプールサイドでの準備体操。
おかげで競泳中にこむら返りだよ。
奥様方のお目当てはもちろん我が子なのですが、
どうしても管理人の競泳風景が視野に入るようになっているのです。
同じプールを一般用と水泳教室用に姑息な手段で区別するのみの
方法がために、見学席からはまず一般用の区域、その奥に教室用の区域。
意識しすぎた管理人は余計に肩が懲りました。
精神的に疲れを感じた4月某日の「怒りの水泳」だったのですが、

ここでは「精神的」という言葉に関連し、読書がらみのお話を。

他人の読書法やどう読書をするかということに
視点が置かれた書籍を好物にする好奇心旺盛の管理人。
最近の所持本で一番「汚した=書き込みの多い」本といえば

齋藤孝著 「読書力」。

この本は、なぜ読書をせねばならないかを述べた、教育者である著者の
「怒りの1冊」です。読書習慣がなくなった学生に向けての
「読書強硬論」といっても言いすぎではない啓発書です。
ここでは、主に「精神に緊張をともなう読書」を対象にしています。

「読書力」は2002年に出版された新しい書である一方で、
これらの類は何十年も前から出版されています。

その中で、昭和47年発行の
清水幾太郎(故人)著 「本はどう読むか」

は最近読書の機会があった1冊です。生前の著者は社会学者としての
肩書きを持つ人物でしたが、他方、元来の平和主義的な思想から国家主義的
な思想の転換が理由で、いろいろ物議を醸し出した方でもあります。
(詳細は百科事典、人物事典参照)

字義どおりの内容である本書。気になった点をいくつか紹介。

読書に対してマジメがゆえに起こりうるケチの紹介にビビビッ。
・買った本は手放さないというケチ
   GW中にやっと捨てることに成功。本棚がちょっぴり寂しげに見える...

・読み始めたら最後まで読むケチ
   管理人、ようやくこのケチはやめました。途中でやめる勇気が身に
   つきました。

・書いてあることのすべてが有意義であると考えるケチ。
   こちらは飛ばし読みが平気な管理人。問題なしか!?

・一語一句を噛みしめて読むケチ
   これは反省。ここで言う「噛みしめる」というのは、わからない表現
   ごとに立ち止まり、辞書を引きながら読み進める方法のことです。
   事実、このおかげで話の筋がわからなくなることがあり、
   読書法の変更を模索中。めんぼくない.....


また、以下の文章にもビビッときたのでご紹介。
・本を読むなら面白い本に限る
   はい。そのとおり。頭にスラスラと入るこの爽快感。感動した!

・一気読みのすすめ
   管理人がしばしば陥るワナに、併読読みの多用により本のあらすじが
   わからなくなることがあります。反省....

・洋書はとにかく最後まで読め
   す、すいません。途中ですぐに放り投げてしまいます。ガックシ...

・ノートに大意を書く客観主義は、思ったほど役には立たない
   はい。大丈夫です。主観主義であります。

・読書会を批判
   熟読主義や遅読主義が多い読書会は毎週1章ずつ、ワイワイガヤガヤ
   やりながらという調子で行うのは全く愚劣な方法だと、著者は
   徹底的に批判しています。一方の齋藤孝氏は読書会を勧めています。
   僕の考えでは、読書は独りで楽しむものであり、読み手それぞれが
   違ったモノの見方をし、読むスピードも異なる点において、前者に 
   賛成。ただし、齋藤氏の読書会はある工夫がされているため、短絡的
   な比較は禁物です。詳しくは「読書力」を!


とまあ、挙げればキリのないのですが、最も心を揺さぶられたのが
次の一節。

「人間の精神の成長は、しばしば飽きるという形で現れることがある」
  

本というテーマを受けての上の言葉であります。
例えば、今まで興味のあったマンガが何故かつまらなく思えるように
なったとき、
例えば、ハッピーエンドの物語に惹かれていたはずが、最近は
それを受け入れなくなったとき、

これを人は「飽きる」という悲観的な言葉を使って表すのですが、
これは「精神が成長」したからだという著者の考えには、今さらながら

なるほど!!

ならば「飽きる」は本だけにはとどまらないぞと、管理人は考えます。
・テレビゲームに飽きたなぁ
・映画は最近見なくなったなぁ
・深夜ラジオはもう聞かないなぁ
・携帯メールが面倒くさいなぁ
・あの女性には飽きました。(オイオイ。失言だぞ。)

これらを「精神の成長」と位置づけるという前向きな「飽き」
に、納得した管理人でありました。

「管理人さん、質問です。」
とある読者様が言う。

「私、読書に飽きました。これって精神の成長ですよね。」

「.....................。」






清水幾太郎(故人)著 「本はどう読むか」

申し訳ない。すでに絶版でございます。


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5月17日(火)発表予定

第18回三島由紀夫賞候補作品   5月17日受賞作決定予定

・「悪意の手記」  中村文則   「新潮」2004年5月号    
・「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」  本谷有希子   「群像」2004年12月号    
・「クレーターのほとりで」  青木淳悟   「新潮」2004年10月号    
・「六○○○度の愛」  鹿島田真希   「新潮」2004年2月号    
・ 「となり町戦争」  三崎亜記      
・「明るい夜」  黒川創   「文學界」2005年4月号


第18回 山本周五郎賞候補作品    5月17日受賞作決定予定

・ 「チルドレン」  伊坂幸太郎    
・ 「私が語りはじめた彼は」  三浦しをん    
・ 「明日の記憶」  荻原 浩    
・ 「ナラタージュ」  島本理生    
・ 「君たちに明日はない」  垣根涼介