あるメディアのアンケートによると、
「1人ランチに抵抗感」を感じる女性の割合が
7割を占めるらしい。
女性の社会進出は、すなわち名目上、男性と同じ土俵で仕事を
するということである。名目上というのは、ホンネはまだまだである
ことは実際に働く方が一番ご存知かと思います。
同じ土俵で仕事をするということは、外回りの仕事も与えられる
わけで、その時のお昼の過ごし方、具体的にはどこでご飯を食べる
かという問題が生じがちであるのだが、
その時に、1人はちょっと.....
というのがこのアンケートである。

ちなみに男性は、「1人ランチ」は案外気にはならない。
僕も「1人ランチ」は得意(?)、というよりは、むしろ大歓迎である。
1人の時間をできるだけ大切にしたいと考えるのは、職場では
どうしても人との関わりは避けられない。よって避けることの
できる唯一の時間がランチライムというわけだ。

しかしながら、どこでもござれというわけにはいかないのも
勝手ながらある。まったく我ながら勝手である。
昼間から高級レストランに行くことなど考えもつかないが、
仮にそのような機会があったとしても、1人で行くのは気が引ける。

そうなると、「1人ランチ」の場は限定される。
ラーメン屋、吉野家、喫茶店、ファーストフード、格安レストラン。

アンケートではファーストフードが女性の「1人ランチNO1」
である。

1人でご飯を食べるという行為に気が引けるのは、人目を気にする
からである。
友達がいないのか、寂しいのか、と人に思われるのが嫌だという
精神の問題が食欲を上回るのだろう。

しかし、もしもあまりにも人目が気になり、それがなければ入れたで
あろうというのであれば、最高に効き目のある薬が存在する。

それは、「本」である。

1人でいると人目が気になり、周りを意識するのであれば、
本を読めば、無事解決である。

「本」は、決して大勢で読むようなものではない。
履歴書に、「趣味は読書」
と書くことはあっても、
「趣味は1人で読書」
とは書かないし、そのような履歴書にお目にかかったことはいまだ
かつてない。

「趣味は読書」との言葉に、「1人」はすでにおり込み済みである。

書店や図書館の入り口をしばらく観察すればわかることだが、
入り口を通る人の8割以上は、「1人」である。
「本」の世界において、「1人」は歓迎どころか、ごく普通の行為として
受け止められる。
周りは「1人」を容易に受け入れる。そして周りも当然「1人」である。

従って「1人ランチ」で入りにくい場所が存在するのであれば、
「本」と「2人」で入ればよい。
テーブルで注文の食事が運ばれるまでは、思う存分

「読書」を楽しめばよい。その行為を訝しがる人間はほぼいない。

なにも読書は「1人ランチ」のみが独り占めするわけではない。
「1人」に「本」や「読書」は最高の組み合わせである。

1人でただベンチに座っているよりも、「本」を添えた方がさまになる。
1人で電車に乗って、ぼーっとするのも悪くはないが、「本」がセット
だと退屈しない。
待ち合わせで相手が遅いなら、その間は「1人」である。埋め合わせは
「本」に任せればよい。


「1人」という言葉で思い浮かぶのは、インターネットである。
これが活字に変わる新たな媒体と言われるその共通点はこれまた
「1人」である。画面に向かって情報を仕入れる行為は
大勢には向かない。物理的にもそのようになっている。

インターネットは本を含めた活字の敵であると言う声も聞くが、
両者の共通点を探すのであれば、まさに「1人」である。
そして、インターネットでこれから先、巨大化しつつあるブログは
最先端を進むであろう「ひとりごち」る場である。

ブログには書評や感想のテーマが非常に多い。
このブログもその末端にしがみつきながらも、とりあえずは
書評コーナーの1つである。

そして、ブログに本の書評、読書の感想が多い最大の理由は
「1人」という枠組みに両方が組み込まれているからだ。
よって、相性がいいのは当たり前というわけだ。

ブログ発信者は、「ひとりごち」る場を手に入れた。
もしも、「本」や「読書」に縁の少ない方であれば、
その相性のよさを存分に味わってもらいたい。
なんとなく馬が合うと感じる時があれば、幸いである。