ケガの最中、片手運転は違反にならないのかと車の運転中に
ふと脳裏をよぎる。今日は久しぶりのお休み。図書館へ本を
返しに行く。いや、返しにいかねばならないのだ。
1週間の延滞はブログのタイトル上、非常にまずい。
このタイトルとの矛盾を埋めるためにも「延滞返却」は大切な
日常生活のひとつなのだ。

最大8冊までの貸出しが許されるMy図書館。この限度いっぱいを
使うのは、某読書推進本で学生時代に学んだのだ。

「借りるものがなくても、借りれるものなら借り切ってしまえ。」

との言葉を忠実に守りながらも、その枠を超えてしまった。それが
延滞である。

返却カウンターにそっと近づき、担当者に延滞本を渡す。
担当者はコンピュータで貸し出し状態をクリアにしてくれるのだが、
この時に

「 ビ ー 」

という訝しげな音をコンピュータは放つ。これは延滞を意味する魔の音だ。
この音がなければ「音沙汰」はない。

この時点では本来担当者は何も言わないのだ。音でこの俺にプレッシャー
を与える作戦は残念ながら失敗だ。
しかしながら、この場に及んでこの俺はとんだミスをやらかした。
1冊を家に忘れてきてしまったのだ。
貸し出し禁止通知はまだ受けていないが、今回は7冊までしか借りれない。
しかも貸し出し時に今度は真のプレッシャーを担当者から受けるのだ。

遅れを指摘されるのは自分に過失があるにしろ、不愉快極まりない。
なんだ、このわがままぶりは。

ここで頭にピカッとアイデアが浮かぶ。

「我が図書館には自動貸出機があるではないか、ふふふ。」

ヒールなtakam16がニョキニョキと姿を現す。そこには天使の
つけいるスキはない。
自動貸出機ならば、誰の咎めもうけないわけだ。この難局にも容易く
振舞うことが可能だ。
頭はただいま薔薇色状態。ららら~。

本日借りる7冊を横っ腹と左手を使ってうまくはさみ込み
いざ、貸出機へ。自動貸出機から約5メートル圏内に手動の担当者達が
暇を持て余した様子でこちらを見て見ぬフリをしている。

「君達の時代はもう終わったのだ。」

薔薇色状態の俺はルンルン気分で貸出し対象の7冊を機械に通す前に
利用カードを所定の位置にセットする。

「これからは君達機械の時代だ。ふふふ。」

日和見主義をいささか露呈しすぎる感はあるが背に腹は変えられない。
ここは借りてナンボである。関西魂どんとござれである。

ところがだ。

数秒後、機械から美女の声が響きわたる。



「延滞されている本がございます。カウンターへお回りください。」


おい、美女!! それはないだろ。なんのための機械だ。なんのために
自動貸出機を利用したのだ。あぁぁぁぁぁぁ~。


貸出し担当者約4名、合計8つのの冷ややかな目線を直接右手で受けた
俺は、いたいいたいと言いながら、しぶしぶ彼らの前へ7冊を差し出し、
しっかりと延滞についてチクリとやられた。


薔薇にトゲがあるのをすっかり忘れていた.....



*本記事は6月下旬のとある出来事を記しています。*