takam16の本の棚
です。バーチャルですが......

 受ける予定の資格試験が一週間をきり、受験時代の図書館通いを思い出させる
ような懐かしい気分を期待して本日(先週の日曜日)はいざ図書館へ!!

図書館というところは、学生時代はほとんどを自習のために使っていた。
日曜日に行こうものなら、それは

行列のできる図書館

にとってかわる。だからこそ、朝一でカバンを場所取りのために置くと一度家に帰り、
開館時間近くになるとまるで正義の味方のようにうしろの列に並ぶ連中の
横を殿様気取りで通過して、一番先頭に陣取る。
ちなみに我が図書館では自習はOKである。

実際に開館すれば、もちろん先頭だ。物凄いダッシュで図書館のVIP席とも言われる
1人席(他人と向かい合ったりすることなく、、隣同士であっても敷居のおかげ
で隔離された気分が味わえる座席。もちろん机付き。)
へ一目散。の出方(敵とは席を狙う他の連中)を伺いながら、そして時には敵の動きを
けん制しながらの行動も必要だった。
まるで兵庫県の西宮神社の正月風景のようだったと、懐かしい限りなのだが、
受験、そして合格の目的を達成してしまえば、たいへん薄情なのだが図書館ともおさらば。
何故か、邪悪な気配でも感じるかのように寄りつくことはなくなった。

それでも働くようになると、本の1冊でも借りようかと思い、図書館に通い出すと、本は
借りると返さねばならないため、強制的にリピーターにさせられる。
そこで、返すことの面倒くささが気持ちを支配してしまえば、図書館には決して将来も用は
なかっただろう。
現実に面倒くささに支配された例を挙げると、それはビデオレンタルであった。
しかし、図書館による「強制的なリピーター獲得作戦」にはまんまと引っかかった。
目的もなく借りる本が意外に面白かったのだ。

すると、目からウロコ、棚からぼた餅というわけではないのだが、また借りて面白いのに
当たったらいいのになぁ.....
とまた目的もなく借りる。するとそれがまたまた面白い。
こうなりゃ無償のギャンブルだと勢いがついてしまい、借りて返してまた借りるの繰り返し。
すると欲というものが出るもので、今度は他の図書館でも借りたいなどと色気づく。

それは都道府県図書館であったり、勤務先の所在地の図書館であったり、近所の大学図書館
であったりと、その数は増加。勤務地は変更もあるからその都度利用登録を行い、
大学図書館は現在学外者開放に積極的だ。こちらも次々カードを作った。
借りれる限度を数えてみると、その数128冊だ。
まあ勤務地変更や住所変更などで実質使用できない、使用しない分も含めての数字だが
それにしても100冊以上もの枠は我ながら驚きである。

しかし、学生時代のような場所取りの気概や意気込みは今となっては昔の話、
さっぱり沸いてこない。それに1人席でなく、相席であってもちゃっかりと100円ショップ
で耳栓の準備もできているし、集中力を損なうことはないだろうと思い、しかしながら
日曜日にお昼から行くのはいくらなんでも座席確保は無理だろうということから、開館時間直前に
ちょうど到着するような状況にした。原チャリを使用したため時間計算は容易というわけだ。

いいかげん、寒くなってきたのに手袋もマフラーもせずの半キャップでの運転は冗談では
なかったと反省したのだが、開館時間ちょうどの到着は正解だった。というのも、子供が
少ない時代なのだ。自習目的に図書館を訪れる人はかなり減っているようだった。
列をつくって並ぶという活気は見られず、パラパラと入り口付近で寒さで縮こまりながら
開館時間を待つのはみんな老人。こういうところに高齢化社会の現実が見られる。


無理なダッシュを強いられることもなく、
1つのテーブルに4人が陣取る座席に着席。そのような座席は他にもいくつかあり、
誰も席についていないテーブルから1人ずつ埋まっていく。
このあたりは人間の心理だ。自分だって誰もいない4人使用のテーブルの座席に腰を落とす。

11時頃になるとさすがに混雑し始める。1人で陣取っていた席に新たな利用者が席に着く
と一気に各テーブルが埋まり始め、正午までには当然日曜日の図書館は俄然熱気を
帯びる。


さあ、4人使用席の確保、集中して自習ができるか否かは、残り3人の構成に懸かっている。



開館と同時に席を陣取ったtakam16がもちろん一番最初に座につく。当たり前だ。
1時間後、自身の座る座席の2番目の利用者のおでましだ。
それは黒髪の美女だ。
takam16、机の下で拍手をした。この場合、美男美女にかかわらず、2番目の人の座る
場所は1番目の人の対角線が通例であり、その美女もご多分に漏れなかった。そんなことより
このようなことをうだうだ言っているところでさっぱり資格試験勉強に集中できていない。


4人使用席の場合、最大のキーマンは3番目の人物と決まっている。
伸び伸びと集中力を保つにはこの3番目の理想は勉強の意欲をそそる人物、つまり学生でも
社会人でも女でも男でもいいから、自分と同じく自習目的の利用者を望むのだ。
また、3番目の人物は確実に自分の正面か、あるいは横に着席するのだ。
極めて重要だ。ところがである。


時刻は午前11時半。
ぷ~んと漂うこの異臭。それに敏感に反応したtakam16。その発信源はウシロだ。
後ろからその異臭を放つ者が徐々に近づいてくるではないか。

頼む、通り過ぎてくれ!! 天に祈りを捧げる。が、

「どっこらしょ。」

あー、オレの横に座りやがった。この異臭野郎。他に空いている座席はたくさんあるだろ。
なぜだ!

いや、それより美女の安否が気にかかる。美女は異臭野郎の正面に位置することに
なるからだ。さぞや顔を歪めていることだろうと気遣いの視線を美女に移したところ、

のほほ~ん
としているから、物事に怖気づかない凄腕の持ち主かと関心していたところ、よくよく耳を
済ましてみれば(takam16、現在耳栓使用中)、どうやら美女は

鼻づまりのご様子だ。クシュクシュ鼻が鳴る音がする。
つまり、風邪だか鼻炎だかしらないが、異臭を嗅ぎ分けることができない
ということだ。なんと幸運な美女...それにひきかえ健康ゆえのオレの不運。

異臭野郎は着席するや、手を頭の上に持ってきて伸びをしたり、ストレッチをしたりと動きが
激しい。そしてその動きにあわせるように異臭も元気いっぱい発射される。
これがズバリ、地獄というものか.....。我慢もいい加減限界だ。
耳栓をどれだけ急遽、「鼻栓」に変更したかったことか。
しかしここは堪えた。鼻に栓など入れたら逆に「鼻栓野朗」と思われる。

ここで最後である4番目ということにあいなる。こうなりゃ3番目の異臭野郎の
存在を忘れさせてくれる香りを願いたいものだ。例えばペパーミントの香りなら異臭と相殺される
だろう。特に強烈な奴を願いたい。


さあやって来た。身なりのいい初老の男性だ。その最大のチャームポイントは白髪だ。
司馬遼太郎氏以上のみごとな純白。その初老の男性がオレの正面、つまり黒髪の美女
の横の席に着いた。ツヤのある白髪のみごとなビジュアル。
これぞ純白の貴公子だ。

黒髪と白髪のセット。オセロを感じさせるこの並び....
と勉強への集中力などすっかり失せてわけのわからない思考にハマりかけたのだが
ちょっと待て。
今度もなんだ、このニオイは、おい!!

4番目は身なりは異臭野郎よりは確かにマシだ。だがそれを打ち消すこの
ニンニクのニオイはいったいどういうことだ!!
本来は異臭野朗の存在を打ち消すのが4番目の役割だ。なのに、ニンニク.....
お、おい、アクビをするな、オレは真正面だぞ。
ほぼ気絶である。このニンニクジジィめ、牛乳で口をゆすいでこい!!


ぷ~ん。横と前から悪臭が放たれる。異臭のコラボは最悪だ。
なのに鼻づまりゆえに
のほほ~ん
を決め込む黒髪の美女。
挟み撃ちの惨劇に知らんぷりをされたオレの精神状態はもうボロボロだ。


4人席のメンバーは

takam16 
異臭野朗。
黒髪の美女改め、鼻づまり女。    
純白の貴公子改め、ニンニクジジィ。



カンカンカンカン~!!!♪


ギブアップである。
もう他の座席に移動したくてもどこにも空いている席は見当たらない。

みじめな敗北に背中を意識的に寂しくさせながら、
来館した午前10時よりたったの2時間で自習を打ち切り、
図書館をあとにするtakam16。
図書を返すことも借りることもいっさい放棄し、寒空の中を
原チャリでこちらも寂しげな運転姿勢で自宅へ帰り、引きこもるtakam16
でありました。