takam16の本の棚
です。バーチャルですが......

2006年が始まりました。
子供の頃と比較すると、歳を重ねるにつれ、時間の進み方が
異様に早く感じるようになりました。
今年こそは毎日をじっくり噛みしめながら過ごしていこうと
考えております。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。



お正月は皆様、帰省かご旅行以外ではご自宅でゆっくりくつろいでいる
かと思いきや、案外お買い物に街へフラフラと出かけたくなるもの。
かつては1月1日にお休みだった各スーパー、ショピングモールも
無理やりシフトされたアルバイト、パート達の不満を背負って営業を
しております。

本屋でもそれは例外ではありません。
働いていた本屋ではもちろん正月もしっかり開店。
アルバイト、パート管理業務をしていたtakam16としては、
12月になると彼らをいかに正月にシフトに入れさせるかについていろいろ
思案するわけです。

パターンはいつも一緒。
主婦パート達は、主婦の権限を最大限に利用して、長期休暇を主張し、
そのために標的にされる学生アルバイト達は、主婦達のわがままと
不公平な扱いを受けたことへいいかげんご立腹。
主婦達が、実家へ帰るだの旅行に出かけるだのという口実を時間帯の関係上、
彼女達と共に仕事をすることのないことを利用して、学生バイトはシフト担当者
であるtakam16に

「主婦Aさんが実家に帰るというのは真っ赤な嘘です!」

と古い言い回しながらも先制口撃を仕掛ければ、主婦Aはお返しとばかり

「学生なんて冬休みで暇なんだからどんどんシフトに入れちゃいなさいよ!」

とこちらも自らが正月に仕事なんかさせられちゃ~たまらないと言う。
この醜い泥仕合、真正面からやってくれりゃ~楽なのに、
全部takam16経由というのがなんともやるせない気分。

そして今度は酒のせいですっかり水太りの店長どのが

「僕、正月休みますからヨロシクッ!!」

ゲホッ、ゴホッ。
世の中で最も汚染された空気を胸いっぱいに吸い込んだら体全体に毒素がまわって
しまった気分と同じぐらいブルーな瞬間。
店長という肩書きをここで使わずにどこで使うと言わんばかりの絶妙のタイミング。
そんなやりとりが12月に入ると盛んに飛び交う。3者の駆け引き、まことに
あっぱれぇ~♪

日々の駆け引きに翻弄され、同時に師走の忙しさに追われる中、
学生達が冬休みに入る12月下旬になると一時的にではあるが、彼らは
主婦達とも顔を会わす機会がある。

12月に入ったとたん、休みの奪い合いを間接的に披露した両者。
さぞかしお互いへの警戒心も強かろうと思いきや、レジ奥で
なんと店長も交えて談笑に花が咲いてやがる......

薄っぺらくも笑顔だけはちゃっかりマニュアル化されたその談笑風景に
「は、ハハハハハッ.....」

笑いもいいかげん乾ききってしまう。

で、シフト担当のtakam16も心の中ではいかに正月を悪意なく休もうかと
色気を出したかったのだが、なんだかこの談笑風景がシフト担当者を地獄に陥れる
ための臨時的な結束にしか見えなくなってしまうのだ。自らも邪な心を持つゆえの
単純な思考回路.........
シフト作成の過程で
主婦に嫌悪され、学生にののしられ、店長に無視されるという逃げ場なしの12月。

そうして四苦八苦した挙句、無念にも選ばれし数名の無気力な店員達が
普段にも増して無気力な風貌、態度で店頭を殺伐とさせている。

2006年の正月を仕事で過ごす日々だったtakam16。
意外に多い立ち読み客にまみれて、先に映る互いの視線を合わせようとしない
店員達の一挙手一投足を観察しながら、かつて書店でシフト担当であった自分と
この本屋のシフト担当者を重ね合わせていると、どうしようもなく
ニヤニヤと表情が緩み、さっそく周囲に不信感を抱かせるのでありました。


つくり話で固められた主婦達のお正月....
すでに修復不可能な学生達との関係....
正月は酒にまみれたヘビー級店長のあの体型.....   2002年正月回顧


自分にとって立ち読みとは、こうもむなしくせつないものでして.....