4年に1度の祭典、ワールドカップもまもなく終わる。
当ブログのあるじであるオレは、今回はドイツの優勝を信じて
疑わなかった。だからベスト4のvsイタリア戦は大変不愉快な
思いだった。
ましてや、フットボールという狭い世界に限定するなら、
イタリアには昔からまったく親近感が持てない。
確かに近所にできたイタリア料理店は店内もアバウトな雰囲気で
見た限り、商売繁盛このうえない。知人と群れるには絶好の環境だ。
また、イタリア各都市の醸し出す独自の「フェロモン」は旅行欲をも
そそる。特にフィレンツェ、ベネチア、ナポリあたりの「フェロモン」は
旅行欲のみならず、別の「欲」もそそりそうだ。いったいなんの「欲」だ。
読者の想像に任せようじゃないか。

実はなぜイタリアのフットボールに嫌悪を感じるかといえば、
数年前に生で観戦したイングランドはマンチェスターで行われた

ACミラン vs ユベントス

のけだるい試合が原因であり、それが決定的だった。
フットボールにあまり強くない方に説明申し上げると、
今、フットボール界で最も注目度の高い大会にチャンピョンズリーグ
という豪華な祭典がある。国の祭典がワールドカップであるならば、
各都市を拠点としたクラブの祭典がこのチャンピョンズリーグだ。
例えばワールドカップにおいて、選手の経験値を問われる時にそのものさしの
ひとつに挙げられるのが、どれだけこの大会で活躍しているか、活躍した経験が
あるかということになる。しかも、参加クラブは欧州の各国リーグの上位チーム
が勢ぞろいし、しかもこの大会では参加するだけでも何億ものマネーがクラブ
の懐に入り財政を潤す。ワールドカップ同様にグループリーグを通過した16チーム
によるノックアウト方式により勝ち上がる形であるため、勝てば勝つほどおカネ
がクラブの銀行口座に入る仕組みというわけだ。つまり勝てば勝利ボーナスが支給される
というわけだ。その額数十億にのぼる。
ちなみに日本代表選手を経験値という点で当てはめた場合、最も経験豊富であるのは
中田英寿ではなく、小野伸ニであった。

さて、この大会で結果勝ち上がったのがこのときは

ACミラン vs ユベントス

どちらもイタリアのクラブだった。
財布の紐をあえて緩めてのチャンピョンズリーグ・ファイナルの観戦。
ところが、というより案の定両者はやらかした。
手の内を知ったもの同士が負けたら終わりの戦いをし、しかもそれがイタリアのクラブ
同士だといったいどんな結果が待ち構えているか、

90分間  0-0
延長戦   0-0

予想通りのPK戦。もちろんイタリアの守備の美学を否定しようとは思わない。
ただ、攻めない試合ははるばる日本から時差というボケをかましながらやってきたオレ
をかえって目覚ませた。時とカネを返せとどなった。
次の日の英国の新聞紙はどれも冷ややかだった。そしてオレも冷ややかだった。
守備のショーはもうこりごりだと思った。
ちなみに最後にPKを決めて勝利を確定させたのは今大会のウクライナ代表エース、
シェフチェンコ。ACミランである。彼は娘の英語教育を優先させるため、来期は
イングランドはロンドンにある注目クラブ、チェルシーでプレーすることが決まっている。
ちなみにチェルシー現監督のジョゼ・モウリーニョ。本業のみならず、ファッション業界
もにぎわす着こなしだ。ぜひ注目されるがよい。
ルイス ローレンス, ジョゼ モウリーニョ, Lu´is Lourenco, Jos´e Mourinho, 西竹 徹, 西岡 明彦
ジョゼ・モウリーニョ
一方敗者となった当時のユベントスの監督が現イタリア代表監督の
マルチェロ・リッピというわけだ。いくらいままでのイタリアとは違うといえ、
もう勘弁してくれよと思うのも無理はない。
 
そういうわけで、まもなく始まるファイナルは理性を失ってでもイタリアの敗退を
希望する。
イケメン軍団もこのあたりでよせ! と言いたい。
まあ、ワールドカップ予想を外したことへの戯言程度に思ってくれればよい。ふんっ。

 
予想、そう、予想である。ワールドカップの優勝国が決定する4日後、出版界では 
「直木賞」という文学賞の戦いがある。
ところがこちらはグループリーグもトーナメントもない。
話し合って決めるというなんとも不公平な賞レース。
候補作が発表されたのでとりあえず以下に作品を紹介し、次回予想する。
え?予想は結構だって? ふざけるんじゃない。
当てなければいつまでたってもあるじの機嫌は斜めのままだ。
ここはガッチリ予想させてもらう。これで書店店長さんも仕入れに苦労することはないだろう。
ふふふ。

135回直木賞候補作


「砂漠」             伊坂幸太郎  実業之日本社  

「安徳天皇漂海記」        宇月原晴明  中央公論新社

「遮断」             古処誠二   新潮社

「愚行録」            貫井徳郎   東京創元社

「まほろ駅前多田便利軒」     三浦しをん  文藝春秋

「風に舞いあがるビニールシート」 森絵都    文藝春秋