メガネ美人が世の男達を刺激させ始めて2年目の今夏、
メガネをかけたまま眠ったおかげですっかりフレームがひん曲がってしまった。
輪郭に合わぬモノを身に付けることの苦痛。どれだけ心と体を蝕むことか。

そんなうだつの上がらぬ男が今はとある冷え切った待合室でイライラ感を
あからさまに魅せつけてきた。魅せる....魅せる...魅せられて....
ああ、懐かしや懐かしや。

鳥肌ものの待合室。朝イチの開店に出遅れたためだが、縁もゆかりもないのに
番号札は「110」。ちなみに時報は「117」、天気予報は「177」。
待つや暮らせど出番はまだだ。そんな時には読書が一番。
カバンの中からひょっこりと、いかにもこの場にふさわしい本を1冊を取り出そう。

シャイロックの子供たち
シャイロックの子供たち池井戸 潤

文藝春秋 2006-01
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おすすめ平均 star
star池井戸潤の銀行もの以外が読みたい!
star中盤からぐっとミステリー?
starいまいちスッキリしない…

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シャイロック。 「ヴェニスの商人」に登場する強欲なユダヤ人の金貸しの名だ。
ヴェニスの商人ヴェニスの商人
ウィリアム・シェークスピア マイケル・ラドフォード アル・パチーノ

ポニーキャニオン 2006-04-05
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表紙をなるべくカウンターに見えやすくするように本を開く。これぞ確信犯。 効き目は抜群。顧客係のメガネ美人もはたしてうろたえた。 "シャイロックの子供たち"に用があるにはわけがある。 やられたのだ、財布ごと。現金、カードに免許証。うだつが上がらぬにもわけがある。 やられたというとみながスられたと思うだろう。しかしそれは事実でない。 わスれたのだ。どこかで。そしてそのどこかをもわスれたのだ。 つまり、脳がヤられたというわけだ。暑さ寒さも彼岸まで。あるじの熱さはどこまでも。 う~ん、パッション。 失ったことに怒りを感じながらも焦りに焦って手当たり次第に電話をかけたら どこもかしこも1050円。 カード再発行の手数料。どこもかしこも横並び。不満が、本のタイトルを見せつける 行為にさせるのだ。ええい、シャイロックの子供たちめ。 ヤられたと言えば、ユダヤの連中が生きるイスラエルが隣国レバノンに一撃をくらわせた そうだ。 ジダンの一撃にイスラエルの一撃。ちなみにオレは先日楽天のオークションで 一撃をくらわした。つまりは即決オークションの落札者となったわけだ。 物欲は一撃必殺に尽きる。待ち焦がれるのは色恋で十分だ。 話を戻す。イスラエルだ。すぐにイスラエルと聞くと大きく物を見ようとする。 わからぬところを大きく見ようとするとケガをするのが我が家の家訓。 小さいことからコツコツと。ちなみに西川きよしは料理が下手だ。ただし目玉焼きは別である。 大きく見ずに小さくイスラエルを知るにはこれがよい。
見ることの塩 パレスチナ・セルビア紀行
見ることの塩 パレスチナ・セルビア紀行四方田 犬彦

作品社 2005-07-29
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star重く長く続く読後の感覚
star心と頭を揺さぶられる
star知らなかったということの恐ろしさ

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現場を知るにはまずは紀行文だ。稼ぐが勝つのは足が一番。 行きもしないのに知ったふりをするのは愚の骨頂。 複雑怪奇な過去の荷物をしょった国が見たイスラエルは一味違った国となる。 旧ユーゴスラビア紀行との2部構成。 そんなヒロシに騙されたいなら、こんなアルジに騙されろ。保証する。 (作成は7月12日です。)